メインに戻る
キンメの食べ方
深海魚というと、グロテスクな体形や色を想像しがちだが、キンメは
形も色も美しく、食味のほうも一級品の深場の魚である。
一般には鍋や煮付けなどがおなじみであろう。
こってりとした脂のうま味を持つので、それを生かしてさっぱりと仕
上げるには、ダイコンおろしをたっぷりと使った煮おろしがおすすめで
ある。
煮汁をたっぷりと、しかも薄味で整えると、キンメの皮の赤色もひき
たち、食欲を誘う。
お造りにするにも、この皮の美しさを生かしたほうがよい。それには
皮を付けたままの刺身である皮造りがよい。皮のすぐ下にはキンメの特
有の脂のうまさがあり、これも味わうことができる。
なお、キンメは身の柔らかい魚であるため、お造りはやや厚めに切っ
たほうが食べごたえがある。
《キンメの煮おろし》
材料(4人分)
キンメ1.5キロ級……………………半身
ダイコン……………………………1/2本
オクラ…………………………………8本
ダシ汁………(水750CCを沸騰させ、削り節カップ1、
薄口しょう油50CC、酒、ミリン各130CC、
砂糖大サジ2、)を冷やしたもの。
作り方
1) ウロコ、内臓、エラを取り水洗いし、水気を切ってから、頭をおとす。
2) 三枚におろすには、背の側から包丁を入れ、腹側は尾のほうをしっか
り掴んで切る。
3) 半身を四等分に切り分け、皮の面に身の半分ほどの深さに飾り包丁を入
れる。
4) ダイコンは皮をむき、粗目におろし、別の容器に入れておく。
5) 鍋にダシ汁と切り身を入れ、中火で10分ほど炊いたら、用意したおろし
を入れる。
6) 再び沸騰したら火を止める。煮汁が多いためこの料理では落としブタは
必要ない。
7) オクラは別に3分ほどゆで、ダシ汁に漬けておく。煮おろしを器に盛り
オクラを添えてできあがり。
ポイント
魚を煮る基本は、煮汁と魚を入れてから火をつける。
煮汁を沸騰させてから魚を入れると、特に切り身の
場合は皮がはがれたり、そったりして見映えが悪く
なってしまう。
《キンメの皮造り》
材料(4人分)
キンメ1.5キロ級………………………半身
ツマとして………
ダイコン…………………………1/4本
オオバ………………………………5枚
スライスしたレモン………………5枚
パセリ、ワサビ……………………適量
作り方
1) 三枚におろした半身をまな板に乗せ、熱湯をさっと流しかけ、すぐに氷水
に入れる。
2) 2分ほどで取り出し、ペーパータオルなどでよく水気をふき取る。
3) 血合い骨を取り除くように背と腹の二つの節に切り分ける。
4) 大皿にダイコンのツマ、レモン、オオバを敷き、やや厚めに切った身を盛
り付ける。
5) 1種類の刺身はとかく変化が付けにくいため、レモンやパセリでアクセント
を付ける。
ポイント
この作り方は、皮面に熱湯をさっとかけるが、1.5キロ
級の半身であれば、10秒以内で皮面全体に平均してか
ける。直ちに氷水に入れ急冷するが、この場合皮面が一
番熱を吸収しているため、皮の上に氷を乗せて冷やす。